アメリカの野党・民主党の大統領候補バイデン氏は、トランプ大統領が連邦最高裁判所の判事に
保守派を指名したことについて、最高裁の保守化が進めば国民生活に支障をきたすとして人事は
選挙後に決めるべきだと強く反対しました。

今月亡くなった連邦最高裁判所のリベラル派のギンズバーグ判事の後任に、トランプ大統領は26日、
保守派のバレット判事を指名し、11月の大統領選挙前に議会での承認を目指す方針です。

承認されれば連邦最高裁の判事は9人中6人が保守派になりますが、これについて民主党の
バイデン候補は27日、東部デラウェア州で会見し、最高裁の保守化が進めば国民の医療保険制度
=オバマケアが廃止されたり、人工妊娠中絶の権利を失ったりするおそれがあるなどとして、
強く反対しました。

そのうえで、来月12日から予定される議会上院の承認手続きについて、「上院は民主主義を強く
守らなければならない。新しい大統領と議会を選ぶ選挙を終えるまでこの指名を認めてはいけない」
と述べ、共和党の議員にも賛成しないよう呼びかけるとともに、人事は選挙のあとに決めるべきだと
訴えました。

トランプ大統領による今回の指名は、大統領選挙が法廷闘争にもつれ込んだ場合を
見越したものだという見方も出ていて、バレット判事の承認をめぐって両陣営の激しい論争が
繰り広げられそうです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200928/k10012637771000.html