韓国疾病管理庁がインフルエンザワクチンの無料接種を安全上の理由から全面中止することを21日、発表した。
同庁は同日夜11時ごろ、プレスリリースを出して、「ワクチンの流通過程で問題が発生し、既存の接種日程を中止し、以降のワクチンの物量確保状況を見て順次再開する」と明らかにした。

今年のインフルエンザ無料接種対象は生後6カ月−18歳と62歳以上の高齢者、妊婦など約1900万人だ。
同庁は「流通過程で問題点が発見されたワクチンは13−18歳対象のもので、品質の検証に万全を期すため、全対象者に対する予防接種を一時的に中止する」としている。
同庁関係者は「ワクチンを低温で流通する過程(コールドチェーン)で品質に影響を与える可能性がある問題が発見されたため、先んじて措置を下したものだ」と説明した

http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2020092280036

ワクチンの大量流通経験ない会社が初めて担当…医療界「韓国政府、低単価に固執して問題発生」

インフルエンザワクチンの配布が21日夜になって突然中止された問題をめぐって、医療関係者の間からは22日、「予想可能だった事態だったが、政府の管理がずさんで防げなかった」という声が上がった。
今回問題となった公共接種用インフルエンザワクチンの流通を担当した新星薬品は創立35年の医薬品流通会社で、大規模な公共接種用ワクチンの流通を担当したのは今回が初めてだ。
専門家らは「公共流通を初めて担当した会社ならば、政府がより体系的な管理・監督をすべきだった」と指摘した。

この日、医療関係者が集まるインターネット上のコミュニティー・サイトには「新星薬品が調達したインフルエンザワクチンがアイスボックスではなく紙箱に入れられている」という情報提供が相次いだ。
新星薬品のキム・ジンムン会長は「紙箱に入れられたワクチンを冷媒が入ったキャリアに入れて運搬するのは規定違反ではないが、大きなトラックから小さなトラックに移す過程で地面に下ろしたのは間違いだった」と語った。

今年の公共接種用インフルエンザワクチンの流通入札は4回も流札になったが、最終的に今月初めの5回目の入札で新星薬品が1回分当たりの単価8620ウォン(約777円、高齢者基準)で落札された。
医療関係者の間では、政府が調達単価をあまりにも低くしたため、ほかの企業は入札に応じなかったり、落札した企業でも確約書の提出を断念したりしたからだ、と指摘されている。

この日、医療関係者の間では、「新星薬品が突然、公共接種用ワクチンの流通を担当したのは、政界上層部との密約があるからではないか」という説が飛び交った。
これに対して同社のキム・ジンムン会長は「政界とは何の事業上の話もしていない。根拠のないうわさだ」と否定、
「これまで公共接種用ワクチンを調達してきた企業が入札談合などに関与し、今年の入札にほとんど参加できなかったため、我々が参入したものだ」と説明した。

http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2020092380061