反日中の反日団体の異例の声明

 いずれにしても、韓国の最大の関心事は、戦後最悪といわれる日韓関係が新しい首相誕生というモメンタムにより関係改善に向かうかどうかで、
そのため、菅首相が短命で終わるか、それとも早期解散により続投となるか、についてだ。

 全国紙の社説はどこも、「菅 日本総理事実上確定 韓日葛藤解決しなければ」(中央日報、9月15日)、
「日本 菅時代開幕 韓日関係原則守りながらも柔軟でなければ」(ソウル新聞、同)、
「新しい日本の総理『菅』、韓日関係前向きに臨まなければ」(京郷新聞、同)と日韓関係改善に触れていて、
韓国政府にも日本との関係改善に臨むよう注文をつけている。

 また、抗日独立運動家の子孫が集った、反日中の反日団体として知られる「光復会」は異例ともいわれる次のような声明を出した。

「菅総理が安倍前首相とは異なり、新しく、建設的な韓日関係の確立に臨んでくれることを願う」

 ただし、「韓日関係を解く核心的な鍵は日帝の韓国強制占領の違法性を認めさせるか否か」とし、
菅首相が「1965年に締結した日韓請求権協定が日韓関係の基本」としたことに対し、
「(日韓請求権協定は)日帝に与した民族反逆者がクーデターで執権し締結した協定である」と反駁していて、団体の意思表明のようにも聞こえる。

 韓国では、菅政権は「安倍前首相の継承政権」であり、膠着する日韓関係に好転の兆しを求めることは厳しいとする見方が支配的だが、
それでも、日本の政権交代が日韓関係に何かしらの変化をもたらすのではないかという淡い期待感もないことはない。