実は相次ぐ事件を受け、周辺のベトナム人コミュニティが騒然としている。参加の承認が必要なフェイスブックのベトナム人のグループ内で、2カ月ほど前から「豚を買わないか」という投稿が増えたからだ。
8月13日には、手足が伸びた一頭丸ごとの子豚の写真とともにこんな投稿が。
〈休日に入りました。早めにロースト用の豚を買ってください。送料無料です〉
群馬県在住のベトナム人男性が語る。
「ベトナム人は骨付きの豚を丸ごと食べるのを好みます。また牛は農村出身者だと子どもの頃から散歩に慣れているし、鳴かないから盗み出しやすい」
ベトナム人が集うSNS上では、「どうりで最近、豚が丸ごと売られているわけだ」、「アイツらとっとと捕まえろ」などと同胞を疑う投稿で溢れていた。
さらにフェイスブック上では豚のほか鶏、車、また銀行通帳や車のナンバー、車検ステッカーなど違法な品まで売買されていた。
「技能実習生として来日し、機械関係や工場、養豚業も含めた農業関係で働いていたベトナム人が、賃金が10万円程度と安いために次々と逃亡してしまう。
その後、身元確認の必要がない工場などで働くも、コロナのせいで仕事を失い、多くが生活に困っている」(同前)
前橋市内の養豚業者は、「実は盗みに入られた豚舎のいくつかにはベトナム人実習生がいた。身内を疑いの目から守るため、今、群馬県内の豚舎の間では事件について箝口令がしかれている」と声をひそめる。
逃亡している20代のベトナム人に話を聞いた。
「1年前に北海道の実習先から逃げて工場で働いていたが、半年前からコロナのせいで仕事がない。帰りたいけど帰国の飛行機が月2便しか飛んでおらず、妊婦、病人、老人を優先的に乗せているので帰れません」
犯行の手口がきわめて粗雑なため、警察の包囲網は狭まりつつあるようだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/946c9775f5f08e1107fccaa7a3db243c02e7f156?page=2