花王サクセスが3カ月で500万本 刷新成功に大当たり販売戦略
30年以上の歴史を誇る花王の男性向けヘアケア用品「サクセス」が、2020年2月にブランドを刷新。「サクセス 薬用シャンプー」
「サクセス リンス」の販売本数がが約3カ月で500万を突破し、好調な滑り出しを見せている。シャンプーで9年間トップシェアだった商品をなぜ
今リニューアルしたのか。ヒットの秘密に迫る。
1987年に登場したサクセスは、30〜40代男性がターゲットのヘアケア用品を中心としたシリーズだ。頭髪・肌研究をベースに
「清潔でさわやかな身だしなみを習慣づけるための商品」をコンセプトに開発された。当初は育毛剤「サクセス 薬用育毛トニック」などが
主力だったが、98年にサクセス 薬用シャンプーを投入。するとこの商品がトップシェアを獲得するまでに成長した。現在はヘアカラー、
寝ぐせ直し用スプレー、シェービングジェルなどラインアップを充実させている。
サクセスシリーズが5年ぶりの大型リニューアルを敢行した理由は、09年以降の伸び悩みにある。シャンプーと育毛トニックでシェア1位を
維持していたものの、他社の男性用品が伸びる中でサクセスの売り上げは横ばい。花王ブランドマネジャーの水町直樹氏は、
「気になっていたのが、ユーザーの高齢化。50代以上の利用者が49%にも達していた」とリニューアル前の状況を明かす。
そこで目指したのはサクセスの若返りだ。「もともと30代以上向けのブランドだった。別の若者向けブランドを新たに立ち上げるのではなく、
基本に立ち返ってリニューアルをした方が長期的には良いと考えた」(水町氏)。改めて30代をターゲットに据えて、ブランドを大胆に
刷新することを決断した。
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