日本人9人組「NiziU」が大ブレイク、韓国が世界的アイドルを生み出す理由

https://news.yahoo.co.jp/articles/b801419d55a082bd287cba23ec06efe77c83882e


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韓国の大手芸能事務所JYPエンターテインメントとソニーミュージックによる合同オーディション企画から誕生した、日本人9人組ガールズグループ「NiziU」(ニジュー)が国内外で大きな話題になっている。なぜ韓国のエンターテインメント業界は、世界で通用するアイドルたちを次々に輩出できるのだろうか。(国際政治評論家・翻訳家 白川 司)

● NiziUの記事が ネットで炎上

 先日、あるネットメディアで『なぜNiziUは世界を興奮させるのか…日本のエンタメが「韓国に完敗」した理由』という記事を執筆したところ、Yahoo!ニュースで炎上してしまい、たくさんの否定的なコメントをいただくこととなった。

 記事ではNiziU、BTSなど、韓国のエンターテインメントが日本などの海外で爆発的ヒットを記録し、世界に打って出ている一方、日本のエンターテインメントは世界市場では低迷が続き、ここ数年で日本と韓国の差がより大きくなった背景などについて触れた。

 タイトルの「韓国に完敗」が気に障った方が多かったようで、内容を読まずにタイトルに反発したコメントもかなりあった。タイトルは私がつけたわけではないのだが、確かに嫌韓の雰囲気が強まる中で「韓国に完敗」と言われてうれしいはずもない。一言言いたくなる気持ちはわかるが、記事の真意を改めて伝えたい。

 私が記事で言いたかったのは、「日本のアイドルが世界市場に打って出るのに限界がある。その理由は日本のアイドル市場の特徴にある」ということだ。

 英語のidolはもともと崇拝する対象のことだが、「アイドル」は崇拝対象ではない。ファンにとってアイドルは「応援するもの」である。

 完璧なルックスやスタイルで歌やダンスをこなすアイドルはいない。日本におけるアイドルとは、未成熟で透明感のあるルックスの少女が、愛すべき欠点や程よい下手加減を補おうと一生懸命になるものだ。ファンはそんなアイドルの一生懸命に「萌えて」応援するのである。

 そのため、ちょっとドジだったり、不器用だったり、少し知識が足りなかったりしたほうが好まれることが多い。「ポンコツ」ぶりが「愛嬌(あいきょう)」となり、それも含めて愛されるからである。だから、アイドルにとって「おバカ」は武器になりうる(でも、「おバカ」になるには、「馬鹿」ではつとまらない)。

 この「未成熟の一生懸命」が日本のアイドルの典型的なあり方であり、その一生懸命さを応援することがアイドルに求められる伝統的な形だと言っていいだろう。