日本の人種差別問題、「Black Lives Matter」で浮き彫りに
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-53942352

公共放送のNHKは6月、ジョージ・フロイドさんの死を受けてアメリカで何が起きているのかを、日本の視聴者に説明するアニメを作成した。
若者向けの番組で放映されたそのアニメでは、抗議に参加する黒人を醜悪な固定観念の下、非常に人種差別的に表現していた。
誇張された筋肉と怒りに満ちた表情、後方には強盗を働く人の姿も描かれていた。
このアニメに対する評価は、おおよそネガティブなものだった。駐日アメリカ大使館は、このアニメは「侮辱的で配慮に欠けるもの」だと批判した。
アフリカ系アメリカ人のバイエ・マクニールさんは、日本に16年住み、教師や作家、コラムニストとして活躍している。
マクニールさんはNHKのアニメについてツイッターに「これ以上(NHKの)怠惰な言い訳は受け入れられない。
黒人にまつわる問題について無知だったと言っておきながら、その問題やBlack Lives Matterについて、
誰の助言も受けずに、侮辱的な人種差別発言を行う権利があると思っている。
助言が必要なら、私たちがここにいる。でもこのひどいアニメは受け入れられない」と投稿。
黒人の問題に対する無関心さを批判した。

別役さんは、自分の周りにいる人たちは似たような意識を持っている一方、「(人種差別について)考えたこともない人、
まったく意識していない人、自分とは関係ないと思っている人もいる」と話した。
別役さん自身は、ジョージ・フロイドさんの事件の前から黒人に対する差別を認識していたと言う。
しかし、日本で人種差別の議論があると、それは大抵の場合、中国人や韓国人に対する外国人嫌悪との関連だと話す。
同じ講義を受けている秀島日登美さんもこれに賛同した。
「日本では長い間、中国人と韓国人に対する差別がある」
一般的な日本人がメディアから受け取る人種差別の話題は、とても表面的で、内容も浅く、背景や歴史認識の欠けたものだという。
「日本のメディアはBlack Lives Matterをアメリカの問題としてしか扱っていない」と秀島さんは言う。
アメリカで起きている一連の抗議活動によって、日本でも人種差別に対する認識が変わり始めるかもしれないが、そういった楽観的な考えはあまり聞かれない。
「認識は少し変わるかもしれないけれど、その変化が目に見えるようになるにはまだまだかかると思う」