「ポスト安倍」動き急 石破・岸田・菅氏らの名

安倍晋三首相の辞任表明を受け、9月中旬までに後継の自民党総裁を選出する見通しだ。後継首相は新型コロナウイルス対応の危機管理を優先しつつ、
経済再生にも目配りした政権運営が欠かせない。石破茂元幹事長、岸田文雄政調会長、菅義偉官房長官らの名前が浮上している。

自民党は28日の臨時役員会で安倍首相(党総裁)の後継を選ぶ総裁選の方式や日程を二階俊博幹事長に一任すると確認した。9月1日の総務会で決める。

通常、総裁選は3年の任期満了にあわせて実施し、党員・党友による地方票と国会議員票の合計数で選ばれる。総裁が任期中に辞任するなど緊急時は
公選規程の例外措置をとることができる。自民党則第2章6条は「両院議員総会で後任を選任できる」と記す。

二階氏は28日の記者会見で「時間に十分ゆとりがあれば当然、党員投票は考えるべきだが、そこに至るかどうか皆さんの意見を聞いて判断したい」と指摘し、党員投票の省略を示唆した。

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(略)

総裁選へ出馬の意向を示す石破氏は28日夕、国会内で派閥会合を開いた。報道各社の世論調査でトップを走り、7月の日本経済新聞社の調査では自民党支持層でも初めて安倍首相を抜いた。

石破氏はこれまで総裁選に計3回立候補した。12年は地方票の獲得票数で1位になったものの、国会議員だけで実施する決選投票で安倍氏に逆転された。18年は安倍氏との一騎打ちで敗れた。

19人の小派閥のため足場が脆弱で、両院総会方式は国会議員票の多数派工作で不利だとの見方がある。石破氏は「総裁を選べるのが党員でいる最大のメリットだ。
それを行使させないのは党員に対する背信行為に等しい」とけん制する。

党内第4派閥の岸田派を率いる岸田氏も立候補に意欲を示す。過去に出馬経験はなく、18年の総裁選で派内にあった主戦論を退けて見送った。
最大派閥の細田派や第2派閥の麻生派の支持に期待する。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63207710Y0A820C2EA2000/