28日午後7時35分頃、福岡市中央区地行浜2の大型商業施設「MARK IS(マークイズ) 福岡ももち」から、「刃物を持った男がいる」「女性が倒れている」と複数の110番があった。
福岡県警中央署によると、施設1階の女子トイレで、上半身などに複数の傷を負った20歳代の女性が倒れており、市内の病院に搬送されたが、死亡が確認された。

警備員が、施設内で包丁(刃体約18・5センチ)を持っていた少年を取り押さえ、同署に引き渡した。
同署は銃刀法違反容疑で現行犯逮捕した。
調べによると、少年は、いずれも自称で、住所不詳、無職の15歳。
刃物を所持したことは認めているが、動機などは詳しく説明していないという。
同署は殺人事件として捜査を始めており、少年が刃物を持っていた目的や経緯などを詳しく調べる。

現場の施設は、福岡市営地下鉄空港線の唐人町駅から北西約600メートルにあり、当時は営業中だった。
隣接する福岡ペイペイドームではプロ野球の公式戦も開催されており、家族連れや若者らの姿が目立ち、多くの場所から悲鳴が上がった。

1階の雑貨店で買い物をしていた近所の女性(45)は午後7時半頃、店のスタッフが「刃物を持った男がいる。逃げてください」と叫んでいるのを聞いた。
通路をみると、両手で刃物を握りしめたやせ形の男と目が合った。
目は血走っており、刃物は血まみれだったという。

女性は「血のついた刃物を見て鳥肌が立った。多くの人が集まるところでこんな事件があるなんて、本当に怖い」と青ざめていた。

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