発症、入退院の果てに西成に辿り着く
Aさんは兵庫県西宮市出身。福祉系の専門学校で学び、卒業後は介護福祉士として高齢者施設で働いた。

ところが24歳の頃、転勤による環境の変化からか双極性障害を発症。
寝床から起き上がれなくなり、歯磨きや入浴すらままならなくなったかと思えば、躁状態になると
今度は誇大妄想に取り憑かれてほとんど眠らずに動き回る。
そんな激しい浮き沈みに苦しんだという。

仕事も辞め、1年ほど入退院を繰り返したAさん。家族との関係も悪化し、主治医の勧めで生活保護を受けてグループホームに入った。
その後はホームレス支援の団体を頼り、30歳で日雇い労働者が集う街、西成へ。3畳一間の部屋に入居し、
作業所などで働きながら細々と暮らしてきたそうだ。

そんなAさんがウーバーイーツの配達員をやってみる気になったのは、その日の体調に合わせて働けそうだとふと思ったから。
「自分は薬のせいで朝は起きづらいので、昼から働くのも自由なスタイルに魅力を感じた」。
自転車や、“あの”四角いバッグなど、商売道具一式を揃えるのは手痛い出費だったが、やってみると仕事自体は順調で、
3月は8万円、4月は13万円ほど稼ぐことができたという。

「予想以上に手応えがあったので、『この調子なら自立できるのでは』と思い、生活保護から脱することを目標にしました。
ウーバーイーツに登録する前は、こんなことになるなんて思ってもみなかった。
働いてちゃんと収入を得られたことで、自分でも信じられないほど気持ちが前向きになったんです」

以下略
https://news.livedoor.com/lite/article_detail/18794422/