麻生大臣のこの発言があったのは6月4日の参議院財政金融委員会。

「死亡率が一番問題なんですけど。調べてみたら、人口比で100万人あたり日本は7人。死亡者ですよ。
こういうのは結果は死亡者ですから。戦争も何も最終的には死亡者が何人でその戦争が勝ったか負けたかという話になるわけですから。
フランスは228人。アメリカが824人。イギリスで309人。日本は7人。
『なんか、お前らだけ薬を持っているのか?』ってよく電話かかってきたときに言われたものですけれども、
私どもとしては、そういった人たちの質問には、『お宅とうちの国とは国民の民度のレベルが違うんだ』
ていつも言ってやるとみな絶句して黙るんですけれども。
それをすると後の質問が来なくなるんで、それが一番簡単な答えなので、『クオリティーが違う』と言っていましたけど、
このところその人の電話も無くなりましたから、なんとなく定着しているのだと思うんですけども」。

つまり、麻生大臣の主張は、日本は他国に比べて新型コロナウイルスによる死亡者数が少ないのは、日本人は民度が高く、
政府の罰則なしの緩い外出自粛要請にも素直に従った結果、他国に比べて死亡者数が少なくなっているということだ。

こうした数字は政府の専門家会議もオクスフォード大学の集計したOur World in Dataを基に示しているので、そのデータから確認した。

それによると、日本は7.14で四捨五入をすれば7人となり、麻生大臣が語った通りだ。

ところで、その同じ数値で日本以外の東アジア、東南アジア各国の人口100万人あたりの感染死者数を多い順位に列挙すると次の様になる。何れも発言のあった6月4日の数字だ。

フィリピン 8.99
インドネシア 6.21
韓国 5.33
マレーシア 3.55
中国 3.22
タイ 0.83
台湾 0.29
ミャンマー 0.11

つまり、7人である日本より100万人あたりの感染死亡者が少ない国はインドネシア、韓国、マレーシア、台湾などかなりの数にのぼることがわかる。

何れにしても、アジアも含めて考えた時、100万人あたりの感染死亡者数が日本より少ない国が有ることは事実だ。

https://news.yahoo.co.jp/byline/tateiwayoichiro/20200705-00186556/