米ニューヨーク市のブロンクス動物園を運営する団体が、1906年の1週間にわたり、
中部アフリカ出身の男性を同動物園のサル舎のおりの中に閉じ込めて見せ物にしていたとして、公式に謝罪した。

中部アフリカ出身のオタ・ベンガさんは1906年、ブロンクス動物園で1匹のオランウータンと一緒に鉄製のおりに閉じ込められ、何百人もの見物客の目にさらされた。

同動物園の運営団体WCSは29日、114年前のこの出来事について公式に謝罪する声明を発表し、
「あからさまで体系的な人種差別は今も続いている。我々はそれに立ち向かうため、より大きな役割を果たさなければならない」と強調した。

発表によると、ベンガさんは現在のコンゴ民主共和国の出身で、1906年9月8日の週に、ブロンクス動物園のサル舎で見せ物にされていた。
地元の黒人有力者からの抗議を受けて解放されたという。

ベンガさんの生涯についての著書があるパメラ・ニューカークさんによると、ベンガさんは同動物園で非人道的な境遇に置かれ、
オランウータンと一緒におりの中に閉じ込められた状態で、一度に何百人もの目にさらされたこともあったという。
しかし1週間後には抵抗を始め、見物人を脅かすようになったことから解放された。

WCSによると、解放後はニューヨーク市のブルックリンで牧師が運営する施設に引き取られた。
しかし故郷に帰ることはできないまま、10年後に自殺した。

WCSはさらに、同団体の創業者2人についても、「優生思想に基づく疑似科学的な人種差別や著作および哲学」を説いたとして非難した。
https://www.cnn.co.jp/usa/35157548.html
https://www.cnn.co.jp/storage/2020/07/31/313c54a7fc0eb7a663abe17821f55476/t/768/432/d/ota-benga-super-169.jpg