強気の中国が世界に迫る外交戦略見直し−欧米やインドにジレンマ

中国との関係を表現するには、さまざまな言葉が必要だ。関与、封じ込め、対立、そしてそれらを組み合わせた造語もある。こうした多様な言葉は、もはや単純に「新興国」とは呼べない中国と向き合う各国政府のジレンマを映し出している。

  習近平国家主席が率いる中国指導部は、今や自分たちが国内外で強引に主張を押し通せるほど強くなったと考えている。どんな報復や制裁にも耐えることができる場所にまで到達したと自認しているのだ。

  中国はこのところ、世界的な反発にもかかわらず香港国家安全維持法を施行し、インドとは係争地帯で死者を出す軍事衝突を起こし、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の時期に挑戦的な外交を展開している。
これらはいずれも、欧米の政策が中国の動きを遅くしたり、止めたりできていないことを示す最新の例にすぎない。

  米国が「米国第一主義」の姿勢を鮮明にし、共通の価値観に根差した多国間の枠組みが弱体化するのに伴い、各国は対中姿勢を見直す必要性をますます認識するようになっている。

続く
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-07-16/QDJBN5DWLU7G01