渋沢栄一のアンドロイド完成 動いたり話したり講義も 埼玉

新しい一万円札の肖像に選ばれ、来年のNHKの大河ドラマでも、その生涯が描かれる渋沢栄一の出身地、埼玉県深谷市で生前の姿を再現したアンドロイドが完成し、除幕式が行われました。

現在の深谷市に生まれた渋沢栄一は、明治維新のあと実業家になり、数多くの企業の設立や育成に関わって「近代日本経済の父」と呼ばれています。

地元の深谷市は、功績を広く知ってもらおうと、生前の姿を再現したアンドロイドの製作を進め30日、市内の渋沢栄一記念館で完成の除幕式が行われました。

製作は深谷市出身の実業家からの1億円の寄付金を財源に文献や写真、それに残された音声などを参考にアンドロイド研究の第一人者、大阪大学の石黒浩教授などの協力を得て進めました。

半年間がかりで完成したアンドロイドは、70歳ごろの渋沢の姿で動いたり話したりすることができ、実際の講演内容を元に、社会貢献などを行いながら利益を追求するという、渋沢の考えについて講義を行います。

完成に合わせて、記念館には大正時代を再現したいすや教壇などが置かれた講義室も整備され、当時の雰囲気を感じながら、およそ20分間、講義などを聞くことができます。

一般公開は来月3日から始まり、当面は市のホームページか電話で事前に予約が必要で、来月中の土日と祝日は、深谷市民が優先されるということです。

深谷市では、今回のアンドロイドのほか、渋沢の姿を描いたコミュニティーバスがことし4月から運行しているほか、市でもPRする部署を作り、盛り上げていきたいとしています。

深谷市の渋沢栄一政策推進課の坂倉茂課長は「渋沢栄一の考え方を多くの人に理解してもらうとともに、深谷市が活気づくよう取り組んでいきたい」と話していました。

深谷市では、渋沢栄一のアンドロイドをあと1体製作し、再来年、完成する見込みで、旧渋沢邸「中の家」に設置される予定だということです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200630/k10012489661000.html