世界最大の水力発電ダム・三峡ダムの水位が、この豪雨の影響で上昇しており、決壊の危機に瀕しているのだ。

三峡ダムは、長江の洪水抑制や電力供給、水運改善を目的に1993年に着工され、16年もの時を経て09年に完成。
ダムの貯水池は全長約660kmにも及び、日本最大の総貯水容量を持つ岐阜県の徳山ダムが6億6,000万立方メートルであるのに対し、
三峡ダムはなんと393億立方メートルというから、ケタ違いの大きさである。

そのため、安全性に対する不安が着工前から指摘されていたが、中国政府は「まったく問題ない」と主張。
03年には国営メディアが「三峡ダムは守りが非常に堅固で、1万年に一度の洪水にも耐えられる」と、自称5,000年の中国の歴史をも超えるような大言壮語を披露した。

ところが、それから4年後の07年には「1,000年に一度の洪水も防げる」と、いきなり10分の1にトーンダウン。
さらに、その舌の根も乾かぬ1年後の08年には「100年に一度の特大洪水も食い止める」と、だんだんと弱気になってきている。

今回の洪水は80年ぶりの大きなものだが、もし本当に決壊でもしたら、
ダムの下流には武漢、南京、上海といった大きな都市が点在し、そこには6億人近くの民が暮らしているだけに、
人的物的な被害だけではなく、経済にも大打撃を与える。
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