藤井聡太七段(17歳)最強将棋ソフトが6億手以上読んでようやく最善と判断する異次元の手を23分で指す

(略)

△3一銀と持ち駒の銀を打つ受けもまた、信じられないような手です。
渡辺棋聖に▲6六角と2二金取りに打たれた時、藤井七段は残り50分でした。
ABEMAの中継で表示されている「将棋AI」は局面を解析し、藤井七段の勝率を「61%」と判定していました。やや優勢、というところです。
「将棋AI」が示す候補手は次の通りでした。

1 △4六桂
2 △3二金 −1%
3 △3一銀 −4%
4 △5五桂 ー8%
5 △3三桂 −11%

マイナスは勝率がいくら下がるかを示しています。
ベストに挙げられている△4六桂はなるほど、よさそうな手です。藤井七段は最初その△4六桂の攻め合いを考えていたようです。しかし考えた末に、その順を採用しませんでした。

(略)

渡辺棋聖はブログに次のように記しています。

△31銀は全く浮かんでいませんでしたが、受け一方の手なので、他の手が上手くいかないから選んだ手なんだろうというのが第一感でした。
(中略)感想戦では△31銀の場面は控室でも先手の代案無しということでしたし、控室でも同じように意表を突かれたと聞いて、
そりゃそうだよなと納得したんですが、いつ不利になったのか分からないまま、気が付いたら敗勢、という将棋でした。

さて、改めて現在の最強将棋ソフトは、その藤井七段の△3一銀をどう評価するのでしょうか。
今年2020年の世界コンピュータ将棋オンライン大会で優勝したのは、水匠というソフトです。開発者は杉村達也さんという弁護士さんです。
対局が終わった後、杉村さんは以下のツイートをされていました。

たややん@水匠(COM将棋)@tayayan_ts
本日の棋聖戦の藤井七段の58手目3一銀は,将棋ソフト(水匠2)に4億手読ませた段階では5番手にも挙がりませんが,6億手読ませると,突如最善手として現れる手だったようです。
7七同飛成が藤井七段のソフト超えの手として有名ですが,ソフト側からすれば,今回の3一銀発見の難易度はそれ以上ですね!

(略)

https://news.yahoo.co.jp/byline/matsumotohirofumi/20200629-00185551/