埼玉県や神奈川県など日本の地方自治体は、中国企業が作成した短編動画アプリ「TikTok(ティックトック、抖音」と連携して、地域の広報に活用している。
しかし、TikTokはかねてからセキュリティ問題が取り沙汰され、中国当局の言論統制も取り入れられている。

TikTokはこれまでに広島県、大阪府、埼玉県、神奈川県、横浜市、神戸市、福岡市の7自治体と情報発信サービス等に関する業務提携をしている。

5月20日、神戸市とTikTokは「神戸の魅力の発信、地域経済の活性化、新型肺炎の流行防止等に関する協定」とする業務提携を締結した。
第一弾として「神戸・癒し学び隊」をキーワードにした動画を募集した。当選者には約1カ月後に審査を行い、TikTokから特別賞をプレゼントするという。

また、6月4日には、埼玉県はTikTokと、新型コロナウイルスに関する情報配信サービス契約を締結した。
2021年、埼玉県は誕生150周年を迎え、大野元裕知事は「埼玉県の魅力をTikTokを通じて発信したい」としている。

<中略>

ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によれば、米陸海空軍、海兵隊、沿岸警備隊は、軍が支給したモバイル端末でのTikTok使用を禁止した。
個人所有の端末にはこの制限は適用されないものの、軍は職員とその家族にアプリの削除を推奨している。

この措置について、米軍広報担当は、米国に敵対する国の政府はソーシャル・ネットワークを通じて、軍事的な機密情報を引き出したり、攻撃を仕掛けることも考えられると見ている。これは、他のソーシャルサービスも同様だとしている。

台湾の蔡英文政権も、政府や軍関係者に対して中国企業が作成したアプリの使用の禁止を通達している。

米ソーシャルサイト「レディット(Reddit)」のスティーブ・ホフマン最高経営責任者(CEO)は2月、TikTokには盗聴や指紋収集などさまざまなセキュリティ問題や情報漏えいの危険性があるとして、「パラサイト(寄生虫)的なスパイウェアだ」と強く批判した。

米ワシントンDCに拠点を置くピーターソン国際経済研究所は2019年1月、「TikTokは中国当局に個人情報や位置情報のほか、各国の軍事施設などの機密情報を提供している可能性が高い」と分析している。

同年11月、米上院議会の犯罪とテロリズムに関する小委員会で、ジョシュ・ホーリー議員は、中国共産党の情報収集を米国の安全保障に関わると指摘したうえで、
「中国共産党に服従する企業(字節跳動)は、あなたの子どもたちの居場所を知っており、子どもたちがどんな顔をして、どんな声で、何を見ていて、何を共有しているかを監視している」「TikTokが何であるかを知らないのであれば使わない方がいい」と述べた。

https://www.epochtimes.jp/p/2020/06/57941.html