「お願いだ、助けてくれ」

そう声をあげるジョージ・フロイドの首に、息絶えるまで警察官がのしかかる
──思わず目を逸らしたくなる衝撃的な映像がネットに出回ると、またたく間に世界を巻き込む抗議デモが起きた。
この映像を撮影したのは17歳の黒人女性、ダルネラ・フレイザーだ。5月25日、彼女は9歳のいとこを連れて買い物に出ていたという。
そこで警察に押さえつけられる黒人男性の姿に気づき、咄嗟に携帯電話を引っ張り出した。

「目の前で殺人が起きているのですから、相当なショックを受けたでしょう」と弁護士のセス・B・コビンが米紙「デイリー・ニュース」に語る。
「でもここで何もしなければ、今起きていることを誰も信じないだろう──そう気づいて携帯電話を取り出したと彼女は当局に報告しています」
「実際もし彼女が撮らなかったら、ただ無為に警察に殺され、社会から顧みられることもない黒人が1人増えていたはずです」

高校3年生のSNSに殺到する誹謗中傷
まだ高校生のフレイザーは目を逸らすことなく、恐ろしい現場を記録した。

フロイドの首を絞めるために膝の位置を何度も調整する警察官、あまりの様子に狼狽する周囲の人々、動かなくなり、救急隊員に運ばれていくフロイド──。

「彼女は映像が途切れないよう、すべてを一発で撮った。少しでも悪いタイミングでカメラを外したり、
あるいは亡くなったフロイドから警察が膝をどける瞬間を見逃していたら、何が起きただろうか。
簡単な話だ。フェイク扱いを受けていただろう」と米メディア「ザ・ラップ」は報じる。

https://news.yahoo.co.jp/articles/0d8e6d3300badf6efa2cc624d73b152dfc00eb47