国内の新型コロナウイルスの感染拡大について、政府の専門家会議は29日、これまでの評価を公表した。

緊急事態宣言は感染の抑制に貢献したとする一方、感染のピークは4月1日ごろで、宣言前だったことも明らかに
した。

専門家会議は、感染が再び広がることを見据え、感染状況が比較的落ち着いている今の段階で、現時点の評価と
課題を洗い出す必要があると判断した。

提言は、クラスター(感染者集団)の発生を防ぐ対策は、クラスターの連鎖による感染拡大を防ぐなどの点で効果的
だったと分析。3密(密閉、密集、密接)の条件がそろうと感染者が多く発生していることを突き止め、広く知らせたこ
とも評価した。

緊急事態宣言については、人々の接触頻度が低いまま保たれ、移動も抑えられたため、地方への感染拡大に歯止
めがかけられた、とした。

実際にいつ感染したのかはその時点では把握できない。新規感染者の報告数から逆算して感染時期を推定したと
ころ、ピークは4月1日ごろまでで、緊急事態宣言の前に流行は収まり始めていた。この理由については、休業要請
や営業自粛が都市部で早くから行われていた効果や、3密対策を含めた市民の行動の変化がある程度起きていた
、と指摘した。

ただ会議のメンバーには「結果的に宣言のタイミングは遅かった」との声もある。

https://www.asahi.com/articles/ASN5Y66NVN5YULBJ012.html?iref=comtop_8_01