(社説)黒川氏辞職へ 政権の「無法」の果てに


 東京高検の黒川弘務(ひろむ)検事長が辞表を提出した。コロナ禍で外出自粛が求められて
いるさなかに、産経新聞記者の自宅で賭けマージャンをしたと週刊文春が報じ、法務省の
聞き取りに氏も事実を認めたという。

 公訴権をほぼ独占し、法を執行する検察官として厳しい非難に値する。辞職は当然だ。

世論の批判をうけて法案の今国会成立は見送りが決まり、続けて混迷の「出発点」と
なった黒川氏が職を辞す。内閣の政治責任は極めて重い。

 首相はきのう、黒川氏の定年を延長したことについて、「総理大臣として当然責任がある」と記者団に述べた。
問われているのはその責任の取り方だ。
これまでのように口先だけで済ませるわけにはいかない。

https://www.asahi.com/articles/DA3S14484934.html