法務省キャリア官僚によれば、
最初に黒川氏に目をつけたのは、菅義偉官房長官だったという。
「黒川氏は一時期、完全に菅さんの右腕のような存在だった。
会議を開くと、まったく関係ない黒川氏が菅さんと一緒に現れる。
なぜ、黒川氏が同席するのか、と尋ねると菅さんが
『彼はうちの法律のアドバイザー役だからいいんだ』などと説明し、
右腕のように面倒をみていた。
それで安倍首相の目にも留まった。
しかし、法務官僚が関係ない会議に来ていたので、
他の省庁の官僚からブーイングがすごかった。
その上、黒川氏の定年延長を閣議決定でしょう。
そんなえこひいきはあり得ないと思った。
安倍政権の検察庁法改正案の断念は、ざまあみろですね」(同前)

安倍官邸は検察庁法改正でも当初、強気で強行採決も辞さない構えだった。
だが、二階さんが公明党と先送りの方向で話をつけ、
それを官邸の菅さんに真っ先に伝えた。
菅さんはコロナ対策で干されるなど、安倍首相や側近の今井尚哉首相補佐官らと最近は関係が悪い。
検察庁法改正でも興味を失っていた。
二階さんに外堀を埋められ、
安倍首相はこれ以上、無理はできないとあきらめたようだ」(前出の自民党幹部)
自民党ベテラン議員によると、後援会で
「検察庁法改正に賛成したら次の選挙で自民党に入れません」
と訴える支援者が何人もいたという。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200518-00000052-sasahi-pol&;p=2