「お父さん、今日は定時? お仕事、がんばってね」
「あれ、珍しく今日は自転車なんだ。気をつけて帰るんだよ」
「じゃあね」

それが、最後の会話となりました。僕のスマホに、突如、警察から、
「奥さんと娘さんが交通事故に遭いました」という電話がかかってきたのは、午後2時ごろ。
パニックになりながらも電車に飛び乗って、病院に着くと、医師が「即死でした」と。

対面した2人の遺体には、顔に布がかぶせられていました。
まず真菜の顔をめくったらズタズタなんです、もう、傷だらけで。
次に莉子を見ようとしたら、看護師さんが、「娘さんは、見ないほうがいいと思います」。
親族からも、「将来、莉子ちゃんの顔を思い浮かべるときに、あのかわいい顔を思い出せなくなるよ」。
そうか、と思って。
莉子は、その後、業者の方から、遺体を修復するエンバーミングに「顔だけで3日かかります」と言われたほどのひどい損傷でした。

後日、遺体が自宅に戻ったとき、やっぱり、どうしても最後に莉子に会いたくて、
顔の布を0.5ミリだけでも下げようとして、これはダメだとわかりました。
あれ以上、動かしてたら、僕の心は一生壊れていたでしょう。

池袋事故、被害者遺族が告白 娘の遺体「見ない方がいい」と看護師 - ライブドアニュース
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