好きなことをしている人とそうでない人との大きな溝

「好きなこと」をしている人は、「文句を言うな」という言い方はしないんじゃないかと思います。
補償について、もらい過ぎだとか、少ないという不満は言っても、「好きなことをしているんだから」
という理由を選ぶことはないと思うのです。
でも、好きなことをしてない人は、自分は好きなことをしてないから、好きなことをしているというだけで、
補償を求める人を憎むのかなあと思うのです。

街のレストランとか職人さんとか、自営業の人は、比較的、「好きなこと」を仕事にしているじゃないかと思います。
サラリーマンはどうなんでしょうか。どれぐらいの人が自分の仕事が好きで、嫌いなのか、僕には分かりません。

まして、非正規雇用の人で、自分の仕事が好きな人がどれぐらい、いるのだろうと思います。
今の自分が仕事が嫌いで、それを続けている自分が嫌いで、自分が許せないという人にとって、
「好きなことを仕事にしている」と見える人が「補償を求める」のは、許しがたいことに感じるのかなと思います。

そうすると、「文化への補償」という問題は、「芸術」「芸能」への理解なんて問題ではなくて、
じつは格差と貧困、雇用形態の問題なんだと思うのです。
そこを解決しなければ、いくら「文化は大切なんです」「ヨーロッパでは補償されてます」
と言っても意味はないんじゃないか、「コジキか」とメンションしてくる人との深い溝を、
いったいどうやって埋めたらいいのかと考え込むのです。


https://news.yahoo.co.jp/articles/19bab15070f0bd9f30a78dc1224b8daa99eb5b58?page=1