エアコンの風で感染の可能性 中国のレストランでの事例が報告 新型コロナ

 アメリカ疾病予防管理センター(CDC)のオープンアクセスジャーナル『新興感染症』に4月2日に発表された報告によれば、中国においてレストランのエアコンが原因で新型コロナウイルスの感染が広がった可能性があることが判明した。

◆エアコンの通り道で広がった感染
 これは、1月24日に広州のレストランで起きたとされる集団感染を検証したものだ。この日、レストランXで昼食をとった83名のうち10名がその後新型コロナウイルスの症状を呈した。10名はA、B、Cの3家族のメンバーで、このうち感染源は家族AのメンバーA1だと考えられる。
同報告書に添えられた図を見ると、3家族が座した丸テーブル3台は部屋の奥の壁に面して左から家族B、家族A、家族Cと横一列に並んでおり、家族Bのテーブルの左手と家族Cのテーブルの右手もともに壁である。この部屋にはエアコンが2基装備されているが、そのうちの1基は家族Cのテーブル右手の壁に固定されている。

 研究者らは「考えられる感染経路を調べた結果、この集団感染の原因として最も可能性が高いのは飛沫感染であるという結論に至った」と述べている。A1とほかの感染者らは1メートル以上離れていたことから、「この発生におけるウイルス感染は、飛沫感染だけでは説明できない」と考えるのだ。
つまり、「エアコンからの強い気流により、飛沫の液滴がテーブルCからテーブルA、次にテーブルB、次にテーブルCに伝播した可能性がある」のだ。

続く
https://newsphere.jp/national/20200502-1/