安倍首相「大恐慌より経済厳しい」 布マスク配布、中止せず―衆院予算委

 衆院予算委員会は28日午後、安倍晋三首相と関係閣僚が出席して、2020年度補正予算案に関する基本的質疑を行った。首相は新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響について、「(約90年前の)大恐慌の時よりも精神的には厳しい状況になっている」と述べ、深刻な認識を表明した。

 その理由について首相は、「今、経済活動をしようとすれば、健康や命に関わる。景気刺激策を打てば効果が出る状況にない」と説明した。
 世界保健機関(WHO)の対応が遅れたとの見方に対しては、「言うべきことはたくさんあるし、検証も行うべきだが、今は結束すべきだ」と強調。中国の反対で台湾の加盟が認められていないことなど「政治性の問題」をテドロス事務局長と意見交換したことも明らかにした。野党共同会派の玄葉光一郎氏への答弁。
 立憲民主党の大串博志氏は、全世帯への布マスク2枚配布の中止を要求。首相は拒否し、「2枚送り手元に置くことで安心いただける。マスク市場にそれなりのインパクトがあった」などと答弁、値下がり効果を強調した。製造業者から「布マスクとの併用が進むことで需要拡大をしのげる」との意見があったことも明かした。
 来年7月に延期された東京五輪の追加経費を日本が負担するとした国際オリンピック委員会(IOC)の発表について、首相は「私が約束した事実は全くない。直ちに抗議し、削除された」と語った。国民民主党の渡辺周氏への答弁。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020042800843&;g=pol