アメリカの感染の中心地・ニューヨーク市では、「地下鉄が感染拡大の大きな要因」だったとする
研究結果が発表され、注目されています。

 この映像は、ニューヨーク州に「外出制限令」が出されてから6日後に撮影された地下鉄の車内です。
まだ、混雑している様子がわかります。

 なぜ、ニューヨーク市で感染爆発が起きたのか?アメリカ・マサチューセッツ工科大学の教授で医師でもある
ハリス氏は、この「地下鉄」に着目しました。先月22日、「外出制限令」が出され、原則、在宅勤務が義務化された後、
地下鉄の利用客は全体として減少したものの、地区によって差がありました。

 「ここニューヨークの中心部・マンハッタンでは、地下鉄の利用客は急速に減り、平日でも90%以上、減少しました」(記者)

 ところが、ブロンクス、クイーンズといった地区では70%から80%の減少にとどまりました。
こうした地区では感染率が高く、感染者増加のスピードも速いこと、また、路線が通る場所と感染拡大地域が
連動していることなどの分析から、ハリス教授は、「地下鉄が感染拡大の大きな要因だった」と結論付けました。

 「ニューヨークの地下鉄は密集している。人が密集する車両だけでなく、地下の駅もとても混雑している」(マサチューセッツ工科大 医師 ハリス教授)

 地下鉄での感染源として、密閉された空間での飛沫や多くの人が触る金属製の手すりなどをあげたほか、
運転士などに感染が広がり、運行本数が減らされたため、車内や駅のホームの混雑が増したことが、
感染を加速させたとも指摘しています。さらに、地下鉄の利用客が十分に減少しなかった地区には、
在宅勤務が困難なサービス業などに従事していて、やむを得ず地下鉄を利用する人々が多く、
また、所得が比較的低い層ほど地下鉄の利用を減らせなかったというデータもあり、「格差」の問題も浮き彫りとなっています。

 教授は、日本にこう警鐘を鳴らします。

 「車両を徹底的に消毒する。できるだけ、駅や車両の密集を減らす。ただ、利用客が減ったとしても、
運行本数を減らすことは間違っている」(マサチューセッツ工科大 医師 ハリス教授)

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3966259.html