新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)をめぐり、責任を免れないのが世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長だ。
中国寄りの姿勢や記者会見での暴言、妄言が物議を醸し、辞任要求署名は約100万人に達した。
米国も拠出金停止を打ち出すが、テドロス氏は居座りを決め込み、あろうことか日本に泣きつこうとしている。
識者からは日本も米国と歩調を合わせて資金を停止すべきだとの強硬論も出ている。

 マイク・ポンペオ米国務長官は22日夜のFOXニュースで、新型コロナウイルスへの対応を巡り
「中国には必要な透明性がない。それを実現するのはWHOの責任だ」と指摘。ドナルド・トランプ大統領の拠出停止の決定について
「完全に適切だ。WHOの構造的な改善が必要だ」と訴えた。
さらに「米国は(資金を拠出する立場に)戻らない場合があるかもしれない」と強調。「それ以上に大胆な変化が必要かもしれない」と述べた。
不満を持つのは政治家だけではない。署名サイト「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」で1月末に始まった辞任要求の署名数は、
テドロス氏が記者会見で妄言を吐くたびに増えていった。

新型コロナウイルスについては1月下旬の時点で中国による隠蔽(いんぺい)疑惑が取り沙汰されるなか、
テドロス氏は、中国の迅速な対応ぶりを強調、「内外に完全な透明性を約束した」と称賛した。

中国のほか、韓国やイラン、医療崩壊に至ったイタリアにも感染が拡大した2月下旬にも、
「パンデミックという言葉は事実に即さない」と述べていたが、3月上旬に一転、「パンデミックと表現できるとの判断に至った」と声明を出した。
すでに100の国・地域に感染が拡大するなか、25日には「われわれは最初の機会を無駄にした」と、当事者とは思えない発言で世界をあきれさせた。
テドロス氏をトップにいただくWHOの国際機関としての役割に疑問を持つ声も挙がっている。

米国政治に詳しい福井県立大学の島田洋一教授は、「WHOを情報の集約機関として重要視する向きもあるが、
感染者数で速やかに正確な情報を出し、メディアも引用しているのは米ジョンズ・ホプキンス大のデータだ」と指摘する。