ニューヨーク当局が新型コロナ時代のセックス指針を公開「最も安全な相手は自分自身」

<新型コロナウイルスの感染者が急増しているニューヨーク市の保健局が、市民のセックスライフに助言。
どこまで禁欲的なのか、その中身は?>

新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、ニューヨーク市保健局は感染を防ぐセーフセックスに関する
ガイダンスをウエブサイトで公開した。

このガイダンスは、「ニューヨーク市民は家にとどまり、ウイルスの拡散を防ぐために他の人との接触を
最小限にするべきだ」という警告から始まる。

しかし「セックスを楽しみ」、かつウイルスの「感染拡大を避ける」方法もある、と提案。
「最も安全なセックスパートナーは自分自身です」と述べた。

「マスターベーションなら新型コロナウイルスを拡散するリスクはない。前と後に石鹸で20秒間手を洗えばさらに安全だ」
──この部分は一時ウエブサイトから削除されたが、後に再掲された。

本誌の取材に対して保健局は、このガイダンスの内容は「定期的に更新される」こと、そして「セックスをしてもかまわない」
ことを市民に知ってほしいと語った。

「セクスティングも検討すべき」

ガイダンスによれば、自宅隔離と社会距離戦略(ソーシャル・ディスタンシング)が実施されている期間中は「身近な人と
セックスをする」ことが重要で、マスターベーションの次に「安全なパートナーは、一緒に住んでいる人」だという。

「セックスをはじめ、濃厚な接触を少数の身近な人だけに限定することは、新型コロナウイルスの拡散を防ぐ」うえで
役に立つとし、「外の人とのセックスをふくむ濃厚な接触をする」のは避けるべきと警告する。

さらに、「市民はビデオデートやセクスティング(スマートフォンで性的な映像を送る)、チャットルーム」など、対面での
性行為の代替手段を検討してほしいと呼びかけている。

現在のところ、新型コロナウイルスが性交で感染する可能性を示す証拠はない。だが、キスや親密な接触など、
セックスに伴う行動には感染の危険があると医師は言う。

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は21日の記者会見で、入院患者の急増に対応するためにニューヨーク市内の
大型展示場ジャビッツセンターを臨時の病院施設に転用する考えを明らかにした。さらに州内で、1人あたりの検査数で
中国や韓国を上回る4万5437件の検査を実施した結果、1万356人に陽性反応が見られたことを発表した。

「検査を増やせばそれだけ感染者の数も増える」と、クオモは警告した。「新しい感染者数の増加は、実施した検査の数を
反映しているだけだ」

ニューヨークのビル・デブラシオ市長は3月20日、ニューヨーク市が感染拡大の「中心地」になっていると語った。

(翻訳:栗原紀子)

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/03/ny-33.php