https://news.yahoo.co.jp/byline/yamadajun/20200304-00166027/

橋本聖子五輪相が3日、新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)の拡大を受け、東京五輪を今年の後半に延期する可能性があると発言したことが波紋を呼んでいる。

 これは、可能性を指摘しただけにもかかわらず、世界のメディアはそうは報じなかった。
日本がそれを検討しているというニュアンスで伝えたところが多かった。

 現在、五輪ができるかどうかは、日本の最大の懸案事項となっている。
そのため、国内メディアの報道はこの1点に集中し、関係者の発言に一喜一憂している。
テレビのコメンテーターたちの議論も、この1点をめぐってのものが多くなっている。

 しかし、これは、本末転倒ではないだろうか?

 五輪開催ができるかどうかは、新型コロナウイルスの感染拡大が止まるかどうか、とくに開催国の日本がそれをできるかどうかにかかっているからだ。
世界はこれを注視している。

 WHOのテドロス事務局長は、3日、ジュネーブでの記者会見で、東京五輪開催について、「いま決めるのは時期尚早で、状況を見守るべきだ」と述べ、
IOCとともに状況を注視していく考えを示した。また、IOCのバッハ会長も、「成功に向けて、今後も全力を尽くしていく」と宣言し、「選手たちには準備を続けてほしい」と述べた。