自民党の河井克行前法相(衆院広島3区)の妻案里氏(参院広島)が支部長を務める自民党支部が、昨年7月の参院選で複数の陣営関係者に、
公選法違反(買収)の疑いがある報酬を払っていたことが14日、分かった。
いずれも選挙期間中に企業回りなどで支持拡大を図っており、うち1人は「違法な報酬をもらった」と認めた。
原則として無報酬の選挙運動に、案里氏の陣営が対価を広く渡していた可能性が出てきた。

昨年7月の参院選広島選挙区(改選数2)で初当選した案里氏の陣営を巡っては、選挙カーで支持を呼び掛ける車上運動員
に公選法の報酬上限の2倍に当たる1日3万円を払った疑惑なども浮上している。
広島地検は車上運動員に加えて
、選挙運動の対価で報酬を得た疑いがあるとして、陣営関係者からも事情を聴いているもようだ。

中国新聞の取材によると、公選法違反の疑いがある報酬を得た陣営関係者は少なくとも3人で、いずれも案里氏が立候補表明した3月以降、克行氏たちに誘われて加わった。
公示日の7月4日から投開票日前日の同20日までの選挙期間中、県内の企業を訪問するなどして案里氏の支持固めをしたという。
関係者の証言などによると、報酬は7月分だけでも1人40万〜50万円という。

公選法は選挙運動に対する報酬の支払いを、車上運動員や、選挙運動に直接関わらない事務員たちに限って認めている。
金額には上限があり、選挙管理委員会に支給対象者を事前に届け出る必要がある。
今回の陣営関係者の届け出はいずれもなかった。

陣営関係者の中には選挙期間中、案里氏が推薦を得た公明党との窓口役として運動の中心的な役割を果たした人もいる。
この関係者は中国新聞の取材に「あくまで党勢拡大に向けた政治活動の一環。
選挙運動には当たらない」と主張した。

別の男性は、克行氏から5月下旬に「選挙を手伝ってほしい」と頼まれ、月70万円の対価を約束された。
選挙期間中は企業などを訪問。
案里氏が支部長の自民党広島県参議院選挙区第7支部から6月28日〜8月1日、計約86万円の振り込みを受け「違法な報酬だった」と認めている。


https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200115-00010000-chugoku-pol