日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告はブラジルの有力紙の取材で、
自身の逃亡が成功した要因について「日本人はのろまで、準備と計画、理解にたくさんの時間をかける必要がある」と述べた。
被告はレバノンやフランスとともにブラジル国籍を持つ。
「私はブラジル人だが、ブラジル人は日本人からあまり評価されない」と語り、日本人による差別があったと示唆した。

ゴーン被告は8日にブラジル大手テレビのグロボのインタビューに応じた後、12日付の同国有力紙エスタド・ジ・サンパウロの取材にも対応。
エスタドの取材では「逃亡を成功させるには、あなたは素早く(日本人を)驚かせなければならない」などと日本を嘲笑するような発言もあった。

このほか、報酬の過少記載による金融商品取引法違反容疑での潔白や、日産に陥れられたとの主張を繰り返した。

ブラジルではブラジル在住のゴーン被告の姉が日産から実態のないアドバイザー業務の報酬を得ていることが問題となっている。
ゴーン被告はエスタドの取材で「彼女はリオに住んでおり、全てを知っている。
私は無料で彼女を働かせることはできない」として、正当な報酬だと主張した。

レバノンやフランスに比べ、ゴーン被告の支援に後ろ向きだったブラジル政府への恨み節も聞かれた。
「(アラウジョ)外相が日本人を不機嫌にさせないようにボルソナロ大統領に助言した」と繰り返し述べた。

ブラジルのメディアに積極的に登場したのは、同国の世論を味方につけようという思惑が透ける。




ゴーン元会長「日本人はのろま」 ブラジルメディアで
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54342370T10C20A1EAF000/