日本の「赤いおもてなし」に白ける中国人の本音

中国は、赤い国旗や中国共産党がシンボルカラーに赤色を用いるなど、“赤”のイメージが強い。しかし、ジャーナリストの中島恵氏は「日本側がおもてなしとして用意した赤一色の装飾に白けるほど、中国人の色に対するイメージは変わってきている」と指摘する――。

「日本ではちょっと誇張され過ぎな気が……」
しかし、私が取材したある30代の中国人は「日本ではちょっとそれが誇張され過ぎているような気がするのですが……」と耳打ちしてくれました。

その中国人によると「もちろん、中国でも春節などの時期は赤い飾りつけだらけになります。それは事実ですが、それ以外では、実はもう、あまり赤色を使わなくなってきています。たとえ使うとしても、もう少し洗練された雰囲気に変化してきているんですよ」といいます。

確かに、上海などのおしゃれな中華料理店に行くと、日本の町の中華料理店などで見かける赤いちょうちんや赤いテーブルなどは一切ありません。むしろ、黒と白を基調にした調度品や、暗い照明が多かったりします。



2018年、中国・深圳にオープンした日系のMUJI HOTELは中国人の間で大変人気がありますが、このホテルでは、赤や金、黄色など中国人が好みそうない色は一切使われていません。それが逆に中国人にウケていることからもわかる通り、派手な色彩だけが中国人に歓迎されるわけではなくなってきています。

中国でも都市部の人は、ファッションやインテリアを選ぶとき、白や黒、グレーなど飽きのこない色、目立たない色を選ぶようになりました。

「歓迎光臨」の垂れ幕や装飾に白けてしまうワケ

続く
https://president.jp/articles/amp/32084?page=4