便座をわずかに前傾させた「座り心地の悪い便器」がソーシャルメディアで話題になっている。
長時間のトイレ使用を防ぎ、健康と生産性アップに効果的だと、開発者は話している。

「スタンダードトイレ」(StandardToilet)というブランド名を冠したこの便器は、便座が下方に13度傾いているのが特徴。
このほど、イギリスで特許出願された。

この便器のを設計したマハビール・ギル氏はウェブサイトで、「現在の便座は水平で、利用者は比較的快適に座っていられる。
その結果、短期的な不快感を覚えずに必要以上に長く時間を費やす人がいる。必要以上にトイレで座っていることは一般的に望ましくない」と説明している。

一方、傾斜つきの便座は、時間の無駄遣いにより生じている産業界の巨額の損失を減らすことができるほか、医学的な恩恵もあるとしている。

長蛇の列に加わった体験から

ギル氏によると、開発のきっかけは個人的な苦い体験だった。

ある日、高速道路でトイレに立ち寄ったところ、個室の前に長蛇の列ができていたという。

「いったい中で何をやっているんだと思った。携帯電話を手にしながら出てくる人もいた」

この問題に取り組むことを決意したギル氏は、便器の模型づくりからスタート。自分を実験台に実験を重ねた。

5〜7分が限界

その結果、11度前傾した便座には15分以上快適に座ることができたが、13度前傾した便座だと5〜7分間座るのが限界だった。

トイレに長時間こもらないことは、健康面でのメリットもあるとギル氏は説明する。

便座に長く座ることで、痔などのリスクが高まるとする医学的な研究もあるという。

全文
https://www.bbc.com/japanese/50862792

https://ichef.bbci.co.uk/news/660/cpsprodpb/109D3/production/_110215086_toilet1.jpg
https://ichef.bbci.co.uk/news/624/cpsprodpb/5AD3/production/_110215232_sloping_toilet_640-nc.png