ひきこもりの自立支援をうたう団体に無理やり自宅から連れ出され、9日間にわたり監禁されたなどとして、神奈川県内の30代男性、
高橋さん(仮名)が11月29日、逮捕監禁致傷容疑などで施設職員ら9人を東京地検に刑事告訴した。ひきこもり「自立支援」施設をめぐっては他にも、強引な手口で連れ出されたという当事者の訴えが相次いでいる。

高橋さんは監禁された後、精神病院でオムツをつけられ、身体拘束を受けた上に50日間入院させられたという。
「悪質な業者と精神病院は、現在も白昼堂々、深刻な人権侵害を行っている」と訴えている。(ジャーナリスト・有馬知子)

●「自立支援」施設と精神病院、負の連係プレー

高橋さんは29日、都内で記者会見した。告訴状などによると、「連れ去り」が起きたのは2018年5月。

東京都新宿区内にある自立支援施設「あけぼのばし自立研修センター」の職員4人が突然、高橋さんの部屋を訪れ施設への入所を説得し始めた。

助けを求めて電話を掛けようとすると、職員の1人に両肩をつかまれ、腹ばいにねじ伏せられた。
高橋さんは抵抗したり、外に出て周囲に助けを求めたりしたが、結局職員3人がかりで車に押し込まれ、施設に連れて行かれた。

その後9日間、監視をつけられ、地下の部屋に閉じ込められたという。

それでも入所を拒否すると、足立区内の精神病院に連れて行かれ、閉鎖病棟で3日間身体拘束を受けた。
手足や胴体をベッドに縛り付けられてオムツをつけられ、寝返りを打つことすらできなかった。

高橋さんは「拘束初日は、排せつ物の処理すらしてもらえず放置され『とんでもないところに来てしまった。
これから自分は何をされるのか』と、言い知れぬ恐怖に襲われた」と振り返る。その後もほとんど何の治療行為もないまま、50日にわたって入院させられたという。

病院職員に「入所を拒否したら、別の病院に入院させる」などと言われ、やむなく施設に移った。すると施設では「ルールを守れない場合は再度入院することに同意する」との誓約書にサインさせられた。


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