【ハラレAFP=時事】国連のヒラール・エルバー特別報告者(食料の権利担当)は28日、アフリカ南部ジンバブエで記者会見し、
同国では基礎的な食料ニーズが満たされていない人が国民の60%に上り、「人的要因による飢餓」が近づいていると述べた。
また、同国は紛争地域を除き食料不安の最も深刻な4か国に入るとした。(写真はジンバブエ北東部の村ムトコで、
干ばつで枯れたトウモロコシ畑を見回る地元女性)

 エルバー氏は11日間の視察を終え、首都ハラレで会見した。同氏は「ジンバブエの人々は人的要因による飢餓の段階に徐々に近づいている」
と語り、年内に800万人が影響を受けると警告。物価上昇率490%のハイパーインフレと不作が合わさったことを要因に挙げた。

 同氏によると、地方では農作物が干ばつの影響を受け、現時点で「550万人という驚くべき規模の人々」が食料不安に見舞われている。
都市部でも220万人が食料不足に直面するとともに、保健・医療や安全な水など最低限の公共サービスを受けられていないとした。

 ジンバブエ経済はロバート・ムガベ前大統領の数十年に及ぶ失政で機能不全に陥り、軍主導のクーデターで2017年に後任に就いた
エマーソン・ムナンガグワ大統領の下でも立て直しは実現していない。

 ジンバブエは経済危機が慢性化している他、汚職、貧困がまん延し、医療制度も崩壊寸前となっている。【翻訳編集AFPBBNews】

https://www.jiji.com/jc/article?k=20191202039429a&;g=afp