英 5人死傷テロ事件 射殺された容疑者は過去にもテロ関与
2019年11月30日 11時53分

イギリス・ロンドンの中心部で男がナイフで歩行者を切りつけ5人が死傷した事件で、警察は過去にテロ事件に関与したとして有罪判決を受けていた28歳の男を容疑者と断定し、犯行の経緯や動機の解明を進めています。

イギリス・ロンドンの中心部にある「ロンドン橋」の周辺で29日午後、男がナイフで歩行者を次々と切りつけました。

男は近くにいた人に取り押さえられた後、駆けつけた警察官に射殺されましたが、2人が死亡、3人がけがをし、警察はテロ事件として捜査しています。

警察によりますと、男はイングランド中部に住む28歳のウスマン・カーン容疑者で、9年前の2010年に証券取引所などを標的とした爆弾テロを企てたとして逮捕されていました。

カーン容疑者はその後、有罪判決を受けて服役していましたが、去年12月、警察が行動を監視するための装置を身につけることなどを条件に釈放されたということです。

事件を受けてジョンソン首相は「深刻な犯罪者を早期に釈放することは間違いであり、危険な犯罪者に適切な判決を与えることが重要だ」と述べ、男の釈放の判断も含め検証する考えを示しました。

一方、事件があった29日にはオランダ中部の都市ハーグでも男が買い物客を切りつける事件がありましたが、警察はテロを示す証拠は見つかっていないとしています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191130/k10012197041000.html