香港の「高度な自治」縮小へ 〜共産党、締め付け強化の方針決定〜

 中国共産党は今年の最重要会議である中央委員会総会で、一国二制度を適用されている香港特別行政区の「高度な自治」を事実上縮小する方針を打ち出した。
中央委は、中国側の香港に対する「全面的統治権」行使を拡大する方針を決定。デモを続ける香港の反対勢力への締め付けを強化するとともに、習近平国家主席(党総書記)率いる中国指導部の意向を香港政治により強く反映させる仕組みをつくり上げる狙いがあるとみられる。

◇中央の「全面的統治権」強調

 中国共産党は10月28日から31日にかけて、第19期中央委第4回総会(4中総会)を開き、最終日に「中国の特色ある社会主義制度の堅持と改善、国家統治体系と統治能力の現代化推進における若干の重大な問題に関する決定」を採択した。

 「決定」は党中央委の採択文書としては珍しく、香港などの一国二制度について詳しく言及し、「『一国』を必ず堅持することは『二制度』の前提・基礎であり、『二制度』は『一国』に従属し、そこから派生するものであって、
『一国』の中に統一される」と主張。さらに「『一国二制度』のデッドライン(許容限界線)に挑戦する行為はどんなものであっても絶対に許容しないし、国家を分裂させる行為はどんなものであっても絶対に許容しない」とした上で、以下の方針を示した。

 香港とマカオの両特別行政区を対象としているが、マカオは反対勢力がほぼ皆無なので、事実上は専ら香港が対象だ。
なお、ここで言う「中央」とは、党中央の指導下にある中央政府や全国人民代表大会(全人代=国会)などの中央国家機関を指す。

続く
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019111401017&;g=int