首里城公園近くにある円鑑池(えんかんち)で1日から6日までに90匹以上の魚が死んでいたことが分かった。
池を管理する那覇市文化財課によると、大量死の発生は首里城火災の後。市の担当者は「高いところから池に水が流れ込む構造になっており、焼けた木材の灰が池に入った可能性がある」とみている。

一方、魚に詳しい専門家は「炭自体は観賞用で水槽に入れることもあり無毒。火事が原因だとすれば、首里城の資材に塗られた油などが原因ではないか」と推測している。(社会部・比嘉桃乃、松田麗香)

大量死が発見されたのは5〜10センチ程度のテラピア約90匹や、20〜30センチのサイズのコイ3匹。
7日以降、死んだ魚は見つかっていない。

市が5日に池の水質を調査したところ、酸性・アルカリ性を示すpH値は「7・8」で中性を示した。
担当者は「魚が水面まで上がってきて口をぱくぱくさせている姿が見られた。魚の大量死はこれまでになかった」と語った。

円鑑池は人工池。通常は緑がかった色をしているが、首里城火災発生後は茶色く濁っていたという。
1日に池の様子を確認した那覇市議の上里直司氏は「魚は瀕死(ひんし)の状態だった。池が茶色くなっているのを見るのは初めてだった」と振り返った。

魚の大量死について那覇市のアクアショップOKINAWA BIANCO(オキナワビアンコ)の熱帯魚担当者は「考えられるのは、化学物質の流入や泥から発生した窒素が長年滞積し、急激に一酸化炭素に変化したことによる中毒死が多い」と説明。

テラピアやコイは水質が悪い環境でも生きられる免疫力の高い魚とし「大量死が1日限りの現象ならば、病気など自然死の可能性は低い」と話した。

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