仏南東部のリヨン第2大学に在籍するフランス人学生は11月8日、学生生活が窮迫したことに抗議して、大学構内で自らに火をつけ自殺を図った。
全身の90%にやけどを負って重体となっている。AFP通信が報じた。
この学生は先ごろ奨学金を打ち切られ、フェイスブックへの投稿で自分の窮状は仏政府の政策のせいだと非難していた。

学生らは12日、リヨンをはじめ首都パリ、リール、ボルドーなどで数百人規模の抗議デモを展開。
パリではデモ隊が高等教育・研究省の門を打ち壊し、庁舎の壁に「経済的な不安に殺される」などと殴り書きした。

​自殺を図った学生は政治学を専攻していたが、2年次で2回留年し、奨学金を打ち切られた。
地元紙ル・プログレによれば、生活は1か月当たり450ユーロ(約5万4000円)の奨学金を受け取っていたときでさえ苦しかったという。

学生は投稿の中で、「格差を生み出した自由主義」を非難。マクロン氏とオランド前大統領、サルコジ元大統領、欧州連合によって「僕は殺される」と訴えていた。
2016年の政府統計によると、入学後3年以内に3年生に進級できるのは28.4%のみ。学生の多くは生活のために働いており、留年率の高さにつながっている。
マクロン大統領は2018年、財政赤字削減の一環として学生向け住宅助成金を最高で月額5ユーロ(約600円)に減額した。
その一方、富裕層には減税政策を導入したことから、激しい非難を浴びている。

https://jp.sputniknews.com/life/201911166841988/
https://video.twimg.com/amplify_video/1194626304550637568/vid/720x720/34dC9EC4ytIV1SgC.mp4