皇位継承の重要祭祀(さいし)「大嘗祭(だいじょうさい)」の中心儀式「大嘗宮(だいじょうきゅう)の儀」が営まれた。皇室の公的活動費である「宮廷費」から、総額24億4千万円が支出される見通しだ。

儀式は紛れもない「神事」であり、国費の充当は憲法が定める「政教分離」に抵触する疑いがある。
だが政府は昨年、十分な議論もなしに前例を踏襲することを決定した。憲法を軽視する姿勢と言わざるを得ない。

<中略>

憲法との整合性を含め、国民の目に見える形で議論を深めるべきだった。
重要な論点があいまいにされたまま既成事実化が進むことに危うさを感じる。

大掛かりな儀式で殊更に権威を高める手法には警戒しなければならない。国民を統制する手段として天皇が利用される懸念があるからだ。

かつて天皇の名の下に戦争に突入し、おびただしい数の人命が失われた歴史を思い起こす必要がある。

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1026329.html