災害時に利点 兵庫・明石でのJR西の新幹線基地計画 リニア延伸、ダイヤ増発見据え
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新幹線の車両基地や新駅などが検討されている農業地域。新幹線と在来線がほぼ並走している=明石市魚住町内
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JR西日本が兵庫県明石市に大規模な新幹線の車両基地を計画していることが
14日、分かった。その背景には、リニア大阪延伸を見越したダイヤ増発に加え、
近年多発する豪雨や南海トラフ地震などの災害に備える危機管理がある。

関係者によると、現状で大規模な車両メンテナンスができるのは
博多総合車両所(福岡県)しかなく、一部区間が不通になった場合は車両の融通が制約される。
新基地が整備されれば、柔軟なダイヤ運用が可能になる。
一方、明石市には新駅設置など周辺の一体開発により、人口増など地域活性化に
弾みをつけたい思惑がある。

現在、西日本で高架などが被災した場合、博多で点検中の車両は新大阪への回送が難しくなる。
明石に基地ができれば、姫路−博多間で災害があった場合も、
被災地以外での部分運転や運行本数の確保が容易になる。

水害対応の利点もある。10月の台風19号による豪雨の影響で、
長野市にある長野新幹線車両センターが被災。全体の3分の1に当たる
10編成120両が水没し、JR東日本と西日本が廃車の方針を示した。
ダイヤへの影響も大きく、被災前に比べ、運転本数が約1割減った。

明石市の候補地は、兵庫県の「千年に一度」の大雨想定による河川洪水で、
ほとんどが50センチ未満か浸水が想定されない区域。50センチ以上
3メートル未満の場所もあるが、車両基地は5メートル程度の盛り土を予定し、水没を防ぐ。
7年連続で人口増を続ける明石市にとっては、固定資産税や法人税の増加、
周辺開発によるさらなる人口増も期待できる。