2021年F1レギュレーション:パワーユニット基数制限ルールに変更。マシンアップグレードが制約

 F1とFIAは、2021年に向けた史上最大レベルといわれるF1レギュレーション変更が世界モータースポーツ評議会の承認を受けたことを発表、その内容を公表した。

 マシンデザインにオーバーテイク促進のための変更が施されるとともに、18インチタイヤ、安全対策の強化、標準パーツの導入などにより、最低重量は現在より25kg増える。そのため規則変更当初はマシンのスピードが今より落ちると予想されている。

 2021年にはコスト制限が導入され、1チーム1シーズンあたり、1億7500万ドル(約188億9500万円)に支出が制限される。対象となるのは、コース上のパフォーマンスに関するものすべてであるが、マーケティングコスト、ドライバーおよびチームのトップ3スタッフのサラリーは除外される。

 F1参戦コストを下げようという意図の下、他にも新たな規則が設けられる。レースウイークエンドに行えるマシンアップグレード、シーズン中の空力アップグレードが制限。さらに、燃料ポンプなどスタンダートパーツが増え、ブレーキパッドなど一部コンポーネントの交換回数に制限が設けられる予定だ。

 パワーユニット規則は、当初は大幅に変更される見通しだったが、エンジンマニュファクチャラーが現在のハイブリッドエンジンに莫大な開発費をかけてきたという主張が尊重され、現行のパワーユニットが継続されることとなった。
しかしエキゾーストシステムが基数制限のあるPUコンポーネントリストに加えられ、マシン1台あたり6基と定められてそれを超えるとペナルティを科される。
 また、週末のスケジュールについても変更が行われる。シーズン最大開催数が25戦に拡大されたこともあり、チームスタッフの負担を減らすことを考慮したという。

 現在木曜に行われているドライバー記者会見は金曜プラクティスの前に行われる。また、マシンがレースに向けてパルクフェルメコンディションに置かれるのは予選からではなく、FP3スタート時に繰り上げられる。

 インシーズンテストは3日間1回に制限される予定であり、若手ドライバーにチャンスを与えるための変更も取り入れられた。各チームはシーズン中のプラクティス最低2回を使い、過去にグランプリ参戦2回以下のドライバーを走らせなければならないと定められた。

 今回発表されたレギュレーションについては、今後さらにF1、FIA、チームが詳細について協議を行っていき、改良していく予定だということだ。
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