新聞は費用対効果が悪い…ボルボは広告費を何に集中させたか?
10/12(土) 10:00配信 幻冬舎ゴールドオンライン

(略)

ボルボオーナーの中心は50歳代です。この層は比較的多くの方がテレビを見ています。ですから、
四半期毎にテレビCMを打ち続けることによりショールームに来ていただける人の数を安定化させることが
できています。一方、ボルボより販売台数が少ないブラドは安定的にテレビCMを継続できる予算規模がないため、
来客数が不安定になりがちです。

既存のオーナーは、メンテナンスなどでショールームを訪れる機会がありますから、その際に買い換えを勧めること
ができます。

しかし、まったく接点のない新規のお客様には、アプローチの仕掛けが必要なのです。

テレビCMを含めてさまざまな接点をつくることによって、ショールームに来てくださる方の人数は過去2年で
1.5倍程度に増えています。

商品が良くなったこともありますが、マーケティング戦略が結果に表れているのです。

一方で雑誌など紙媒体の影響力は確実に落ちています。特に新聞広告は費用対効果が圧倒的に悪くなっています。
何かメッセージを届けたりするときには広告を掲載しますが、基本は利用していません。

レクサスにいたころは、まだそれに気づいていませんでしたので、全国紙全紙に全面広告を出して億単位のコストを
支払っていました。今にして思えば、もったいない話です。

新聞折込チラシも同様に効果が薄れています。今でも地方では独自に折込広告を入れていますが、
全国版のチラシはストップしました。

削減できた広告費はテレビとウェブに集中投資しています。

ウェブで展開しているのは、単純な広告ではありません。「バレンタインフェアで赤いV40が1名様に当たる」、
あるいは「軽井沢に2泊3日で2名様をご招待」など、イベントを絡めています。

こうしたものには、懸賞マニアも多く申し込んできますが、ボルボに興味を持っている人も応募してくださるのです。

応募の際には、いくつかの質問にも回答していただいています。それによって、車検の時期などが分かるので、
買い換えのタイミングなどが判断できます。それを分析して、ディーラーに送り、営業スタッフがお客様をフォローします。

100人にアプローチすると、平均して4人ほどが新規のオーナーになってくださいます。

2018年の受注台数は2万台を超えましたが、その半分が新規のお客様でした。そのうち4分の1弱、
2200人のお客様はウェブ経由でキャンペーンなどに応募してくださったお客様です。それほどウェブには力があるのです。

優秀なディーラーの場合、100人のお客様を1年間フォローすると、7人が買い換えてくれます。
一方であまり優秀でないディーラーの場合は4人程度です。つまり、ディーラーの場合は、1年間フォローを
続けて、100人のうち4〜7人が買い換えてくださることになります。

ウェブはどうでしょうか。100人のうち4人が買ってくれることはすでに話をしましたが、おおよそ3カ月で決着が
付きます。ウェブでの集客は、店頭よりも非常に効率がいいのです。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191012-00023600-gonline-bus_all