>>1続き
企画展再開を支持する側は、憲法21条が定めた表現の自由を引き合いに出す。しかし12条は「国民は自由と権利を濫用(らんよう)してはならず公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う」としている。

日本の象徴である天皇の肖像を燃やし展示することは、公共性を破壊する反社会的行為である。
少女像は韓国が史実を誇張、捏造(ねつぞう)して日本非難の宣伝に使ってきた。やはり日本への悪意がある。

多くのまっとうな批判に対して、再開を決めた企画展側は明確な答えを出していない。

文化庁が芸術祭への補助金を不交付としたことについて、「検閲だ」などとする声があった。国会の代表質問でも、枝野幸男・立憲民主党代表が「事前検閲につながる」とただした。

しかし、文化庁の措置は安全面の懸念を事前に申告しないなど、申請手続きが不適当だったという理由である。検閲などの言葉は当たらない。

再開を支持する側は、日本が表現の自由を抑圧したり検閲をしたりしようとしていると言い募ることで、日本の評価をおとしめようとするつもりなのか。そう受け止めざるを得ない。

芸術祭は14日までである。2カ月以上の中断を経ての、終盤でのあわただしい再開には、どういう意図があるのか。
芸術祭の名のもとに社会に反発と混乱を引き起こした責任を、実行委員会会長でもある大村秀章愛知県知事はかみしめる必要がある。

おしまい