NHKと日本郵政、「暴力団」に近いのはどちらか

■「犯罪的営業を組織ぐるみでやっている印象を与える」

保険の不正販売に揺れる日本郵政グループで、新たな問題が明らかになった。
かんぽ生命保険の不正販売を2018年春に報じたNHKの番組に、日本郵政側が強硬に抗議。
コーポレートガバナンスが効いていないなどと追及されたNHK側が、日本郵政側に謝罪し、
続編番組の放送を断念していたというものだ。なぜ、日本郵政の抗議に、
NHKは「弱腰」の対応をせざるを得なかったのか。

番組は2018年4月に放送されたNHKの「クローズアップ現代+」で、今まさに問題になっている
かんぽ生命保険の不適切な営業実態を取り上げた。日本郵政グループを揺るがす大スキャンダルを報じた
嚆矢(こうし)だった番組である。 NHKは番組終了後に続編の放送を目指して、ツイッターに
情報の提供を呼びかける動画を投稿していた。その動画に対して日本郵政が「犯罪的営業を
組織ぐるみでやっている印象を与える」ものだと抗議したという。NHK側は「番組制作と経営は分離し、
会長は番組制作に関与していない」旨を説明したが、今度は逆に日本郵政から、
NHKのコーポレートガバナンスが効いていないと指摘されたという。結局は動画を削除して、
続編もいったん延期したという。

■NHKの責任者が日本郵政の抗議に屈していた

それでも日本郵政側の怒りは収まらなかったようで、2018年10月に日本郵政がNHKの経営委員会に、
ガバナンス体制の検証を求める書面を送付。NHK経営委員長の石原進・JR九州相談役が、
上田会長を厳重注意とした。結局、上田会長は「番組幹部の説明を遺憾」とする事実上の
謝罪文を日本郵政側に届けた。会長名の書簡を届けたのは専務理事・放送総局長と編成局部長だったという。
放送の現場責任者が、日本郵政の抗議に屈していたのだ。

なぜ、そんな弱腰の対応にNHKは終始したのか。実は、抗議をしてきた相手が、
日本郵政の鈴木康雄副社長だったことが大きいだろう。謝罪文を受け取った鈴木副社長が、
経営委員会宛ての文書を送り付けていたことが、報道で明らかになっているが、
それを読むと、その強引さが分かる。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191004-00030221-president-soci