「日本メディアに取材してほしいことがあるのですが……」。北京のオフィスに若い中国人男性の声で電話がかかってきた。

 中国を侮辱した漫画をSNSで拡散したとして、中国人の若者らが「精日分子(精神日本人)」として次々に逮捕されているというのだ。

 調べると、日本アニメファンをからかう中国のネットスラング(俗語)だった「精日」という言葉が警察の発表文に使われていた。

 中国のアニメファンたちはどう受け止めているのか。ファンたちが集うコスプレイベントをのぞいてみた。

 ◇日本アニメ好きの女子高生「母の影響です」

 「ひとりぼっちだった主人公が努力して活躍する姿が好きなんだ」。
日本の人気漫画「NARUTO(ナルト)」の主人公に扮(ふん)した高校1年男子(16)に声をかけると、
キャラクターの魅力について目を輝かせて説明してくれた。日本メディアの取材だと告げると、「日本語にも関心があるんだ」と身を乗り出してきた。

 北京から車で2時間。天津市中心部のショッピングモールには、地元の中高生ら約180人が奇抜な衣装を着て集まっていた。
半数以上が日本アニメやゲームのコスプレのようだ。日本語で「アニメ・楽しい」と書かれた日本語学習塾チェーンの宣伝ブースも出展していた。

 おもちゃの日本刀にセーラー服姿の中学3年女子(15)は「これは『愛宕』の衣装。通販で300元(約5000円)だった」と話す。
第二次大戦中の各国軍艦を擬人化した中国の人気ゲーム「アズールレーン」のレアキャラ(出現確率の低いキャラクター)だという。
彼女のキャラクターは旧日本海軍の軍艦「愛宕」がモデルのようだ。「精日批判ですか? 聞いたことはあるけど、内容はよく知りません」。
少し困った表情になった。

 会場にはキャラになりきることを楽しむコスプレーヤーだけでなく、日本風の衣装を楽しむ参加者も多かった。




中国で逮捕者 日本アニメ好きに「精日」批判
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190922-00000005-mai-int