中国では日本の女子高校生の制服をモチーフにした「JK」というファッションジャンルが通販ショップなどで確立している。

 JKファッションに身を包んだ高校2年の劉麗さん(16)は「学校のイベントで着るためにクラスの女子全員でそろえた衣装です。
JKはスカート丈が短いから、丈を長めにして赤い編みひもで中国風にアレンジしました」と誇らしそうだ。

 北京や上海ではイベント会社が主催する10万人規模のコスプレイベントも珍しくないが、
このイベントは天津で活動する中高生主体のアニメ同好会が交流のために随時開催しているという。

 日本アニメ好きは母親の影響という劉さんは「(アニメ好きが)精日なんて、でたらめです。
日本のものでも、中国のものでも、素晴らしい文化は国境を越えて広がっていくと思う。
祖父母からは『日本人にも、やさしい人はいる。恨みを次の世代に伝えてはいけない』と聞いて育ちました」と真剣な表情になった。

 日本のアニメ文化は想像を超えるスピードで中国に浸透している。「精日」批判は一部の拒否反応なのだろうか。

 ◇旧日本軍の軍服でコスプレ?

 そもそも精日とは何か。日中関係に詳しい梁雲祥・北京大学国際関係学院教授は
「精日とは、極度に日本を崇拝し、自国を蔑視するあまり、精神的に自らを日本人とみなすようになった中国人のことです。
さらに日本の中国侵略を賛美し、中国の抗日をあざ笑う行為すら出てきた」と問題視する。

 有名な事件は次の二つだ。2017年8月に上海で男性4人が、昨年2月には南京で男性2人が、
いずれも旧日本軍をイメージさせる軍服を着た写真をネットで拡散した。
「一種のコスプレ」との見方もあったが、撮影場所が戦場跡地だったことから日本の侵略戦争を美化したと批判が広がった。
梁教授は「精日は厳しく批判され、法的制裁を受け始めている」と指摘する。