家庭のコンセントにつなぐだけでインターネットにつなげられる「PLC」の今

十数年前、「家庭のコンセントにつなぐだけでインターネットにつなげられる機器が発売される」という記事を読んだ記憶はありませんか?
筆者自身、そのニュースに接して「おっ、何だかすごい!」と期待感を持ったのを覚えています。
それがまさに、今回のテーマである「PLC」なのですが、今となっては「あれ? その後はあんまり聞かなかったな」という実感も…。

<省略>

──それはなぜなんでしょう?

岡 ひとつには、PLCが最初に登場した時に規格が3つあったことが挙げられます。
弊社はパナソニックさんが主導した「HD-PLC」という規格を採用しているんですが、
他にアメリカ主導の「HomePlug」、ヨーロッパ主導の「UPA」がありました。
3つの規格には互換性がなく、家電量販店に複数の種類が並ぶことになり、お客様も「これってどうなの?」という状態だったんです。
現在、この中ではHD-PLCのみが残っていて、それとは別に後から出てきた「G3-PLC」という規格も存在しています。

他にも大きな要素として、法律の問題があります。
PLCと言いながら、コンセントに電波を流すんですが、アマチュア無線の帯域を使ってしまうので反対運動的なものも起こりまして。
ただHD-PLCはノッチフィルタというものを使ってアマチュア無線の帯域の周波数をカットしてるんです。
さらに、法規制の値よりも出力をちょっと下げていました。何が起きるか分からないというところもあって、少し控えめにしていたんですね。
そのために、実際のご家庭では1階と2階でつながらないという事態が多く起きてしまいました。

──最大のウリが実現できなかったということですね。

<省略>

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190922-00010001-andgp-sci