小島慶子「東京オリンピックで旭日旗 どんな人が振るのか」〈AERA〉


東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は9月3日、韓国国会の文化体育観光委員会が旭日旗の競技会場への
持ち込み禁止措置を組織委に求める決議を採択したことを受けて、
「旭日旗は日本国内で広く使用されており、旗の掲示そのものが政治的宣伝とはならないと考えており、持ち込み禁止品
とすることは想定していない」
と表明しました。
週刊ポストのヘイト的な韓国特集や、嫌韓で盛り上がるワイドショーが批判され、日韓関係が冷え込んでいるさなかにです。

2017年には、AFC(アジアサッカー連盟)が旭日旗を掲げたサポーターを放置したとして、川崎フロンターレに処分を下しました。
旭日旗は日本がアジア諸国に侵攻した際に用いていた軍の旗。
国際試合の場で旭日旗を振るという行為は、日本による植民地支配の歴史を賛美する意味に取られかねません。

古くからあるめでたい柄の旗で自国の応援をして何が悪い、外国にとやかく言われたくないという理屈は通用しない。
このタイミングで「旭日旗問題なし」と表明するのは韓国への当てつけと取られます。
それこそ誤解を生む意思表示でしょう。もしそうとわかった上で表明したのなら、開催国として最悪の判断です。

 いったいどんな人が五輪のスタジアムで旭日旗を振るのか。
どの試合のどんな場面で、何を叫びながら振るのでしょうか。
国内外でその旗の名のもとに斃(たお)れた数多の死者を悼む夏に、そんな光景を見たくありません。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190912-00000029-sasahi-spo