津田大介さん「毀損された表現の自由リカバリーしたい」 不自由展中止の波紋

愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止となった問題で、芸術監督を務めるジャーナリストの津田大介さん(45)が27日までに沖縄タイムスのインタビューに応じた。
「毀損された表現の自由を回復させるプロセスを残りの会期で見せたい」と述べ、今後何らかの対応をする考えを示した。

津田さんは企画展の狙いについて、行政の運営する美術館で作品の撤去などが近年問題になっている現状を踏まえ、「アートでこれだけ検閲的な状況がある。メディアも同じ危機感を抱えなければいけないと思った」と語った。

企画展が中止したことについては、「ガソリンをまくぞ」といった抗議や脅迫が殺到したことを挙げ、
「職員と観客の生命が人質に取られた状況だった」と理解を求めた。

補助金交付を慎重に判断するとした菅義偉官房長官の発言について「あんなことをちらつかせられたら、政治的な表現はどこもやれなくなる」と批判。
公金が使われた文化事業で行政による検閲を当然と考える風潮が強いことにも懸念を示した。

米軍基地などを巡る沖縄の訴えが本土で無視されているとも指摘。
「バッシングが起きる構図は沖縄にかかる問題と似ている。表現の自由が損なわれるのは沖縄だけでなく、日本のどこでも起こりうる問題だ」と語った。(東京報道部・又吉俊充)

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/463776
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